鼻先で60kgを持ち上げ、畑を掘り返した跡は耕運機で耕したのか？と思う程。罠にかかればその周囲は荒れて「土俵」のようになります。
捕獲する時はいつも猪の力強さに驚かされます。罠にかかっていても注意しないとこちらが大怪我をします。そのパワーは大きさが同じであればメスもオスも変わりません。
走り始めると２秒程でトップスピードまで達し、猪突猛進として知られていますが、全速力でも急旋回が可能で、その運動性能は決して犬にも劣りません。
野生の猪達の筋肉量は人間ならばトップアスリート級で、家畜のように管理されておらず、食べる餌も無添加の自然の中で、ストレスなく生活しています。そんな生粋の天然猪を自分で捕獲・解体し、納得の行く個体だけ商品としています。
いつもの餌と反応が変わるとよくお褒めの言葉を頂きます。個人的には、かつての祖先の記憶を彷彿とさせる程に本能を揺さぶるのではないか？とさえ思ってしまいます。
毎年生え変わるオスのツノは豊作や富の象徴とされたり、神の使いと言われる鹿は、山で出会うと神々しさをも感じます。狼が絶滅する前は狼のメインターゲットであった為、個体数が自然淘汰されていたと言われています。増えすぎた現代では、森林破壊を引き起こす有害鳥獣として捕獲量はNo,1です。
お肉としては淡白な味なので、猪ほど人には好まれない為に、現代では捕獲されても廃棄される事が少なくありません。しかし、鹿肉にはヘム鉄という吸収率の高い鉄分が多く含まれ、栄養性は抜群で、同じ反芻動物である牛のレバーよりも鹿の筋肉の方がヘム鉄の含有量が多いほどです。
造血作用は毛並みや爪、粘膜や皮膚など様々な所に影響します。
猪と同じく野山を駆け回ってストレスのない生活を送っています。人里に近づく事で獲物は捕獲されますが、病気であれば人里に近づく元気もないので、健康な個体が捕獲される事が当たり前なので、４Dミールにはなりようがないのです。
私達は食事をする前に「いただきます！」と当たり前のように言いますが、これに該当する言葉が外国には存在しません。
過去から伝えられるこの習慣は、すべての食材には命があると考え、その命を頂く事で、自分が生かされている事に感謝する言葉なのです。
調理する事と食べる事にのみ関わりが多い現代では、いただきます！の中身が軽薄になってしまっています。
原始から今の世まで伝わる狩猟には現代人にこそ知ってほしいその中身の部分がギュッと詰まっています。
都市集中型の現代では、職を求めて山村を離れる人が多く、海外の輸入材に頼って山を活用しなくなり、かつての里山も荒れ放題となっています。時代と共に自然との関わり方が変わっています。地域の自然を見届け、伝えるのもハンターとしての役割だと思っています。
狩猟を通じて起こる出来事を「シンプル」に伝える。
（狩猟を通して見える自然が教えてくれる事を共有したい）
天然で無添加を守り、「丁寧に」つくる。
ペットは人間から受ける影響が大きい為、天然をそのままに
自然の持つ純粋さを汚さないよう「無理をしない」
不必要に捕獲しない、猟欲のままに捕獲しない、獲りすぎない
無添加はピュア(純粋)の象徴です。
食べる事は「生」ですが、「死」の上に成り立っています。便利な世の中は事実を残酷に思わせる程、頂く事の有り難みから遠ざけてしまいました。
経験的に、ピュアな犬達はジビエのピュアさに反応します。その愛らしい振る舞いに飼い主さんも純粋という価値の持つ素晴らしさを思い起こしてほしいと願います。
